2019年3月13日にガイアックス様主催で、Japan Innovation Network専務理事西口氏の書籍「イノベーターになる」とCHO丹羽による「パーパス・マネジメント」のジョイント出版記念イベントを開催いたしました。
ガイアックス様とは、昨年12月開催の「booked パーパスマネジメント:丹羽 真理&実務でつかむ! ティール組織:吉原史郎 トークセッション&懇親会」でもご一緒させていただきました。今回も、前回同様、「本を読まずに参加できる読書会」というコンセプトの「booked」というイベントです。
登壇者2名に加え、代表取締役CEO永井恒男がモデレーターとして入り、パーパスとイノベーションがどのような関連性を持っているのか紐解いていきます。
まずは、社員の幸せを大切にする経営とはどのようなものか、CHO丹羽による「パーパス・マネジメント」ダイジェスト版講演から始まりました。社員の「幸せ」がいかに生産性と創造性を高めるのかについて、以下のような数字が上がっていること、みなさんご存知でしたでしょうか。幸福度の高い社員はそうでない社員に比べ、「生産性は31%、売上は37%、創造性は3倍高い。」この数字には会場からも驚きの声が上がっていました。
そんな中、丹羽より会場の皆さんへ質問です。
皆さん、「努力して、成功するから幸せ」と「幸せだから、やる気が出て、成功する」、どちらがしっくりきますか?
日本の文化からは、前者が当たり前と受け取られがちですが、私たちアイディール・リーダーズでは後者の考え方こそが成功への近道であると考えています。そのため、社員の幸福度を高めることは、実は「マジメなビジネス戦略」なのです。
では、社員の幸福度を高めるためにはどのような要素が必要なのでしょうか。「パーパス・マネジメント」から、4つの要素をご紹介しました。
Purpose(パーパス=存在意義)
Authenticity(オーセンティシティ=自分らしさ)
Relationship(リレーションシップ=関係性)
Wellness(ウェルネス=心身の健康)
その中でも、核となる要素が「Purpose(存在意義)」です。自分の仕事の意義を実感できていることが、仕事における幸せの実感と深くつながっているのです。
このPurposeの話を受け、イノベーションの核となる考え方をJapan Innovation Networkの西口専務理事よりお話していただきました。西口さまは、大企業からのイノベーションに長年取り組んでこられたため、経験値に裏付けされた刺激的なお話をうかがう貴重な機会となりました。
西口さん曰く、イノベーションとは
「なんでもいいから変わればいいというものではなく、自らの会社の存在意義に沿って創りたい未来を自分で考える」
こと。実は、多くの大企業の新規事業がうまくいかない理由はこの「創りたい未来」を解像度高く描けていないからなのだそうです。
課題発見→コンセプト→事業モデル化→実行
イノベーションのステップが上記のような流れであるとすると、日本は教育や社会的な影響もあり、構想力が極端に弱いのだとか。ぼんやりと「平和な社会を」であったり、「福祉を充実」と唱えるだけでなく、創りたい未来像が映像でありありと思い浮かぶぐらいでないと、変化は起こせないと西口さんは語ります。
イノベーション=「意図的な変化を起こす」
意図の源泉は個人、または組織のPurposeである。
イノベーションとPurposeの関係が上記の文章に凝縮されていますね。
今回も会場のみなさんからオンラインツールを使用し、トーク中に質問を集め、その中から数個ピックアップし、質問に回答していきました。こちらでは特に印象的だった質問をご紹介します。
Q.「まずは映像が見えていないとイノベーションはおこらない」とおっしゃっていましたが、どの時点で経営者に伝えるべきでしょうか?
A.(西口さん)完成された案しか受け入れない経営者からは「絶対に」イノベーションは生まれません。経営者が「毎日でも新しい映像をみたい」(選択肢の拡大に積極的)と思うか否かが重要です。すぐに「これ、どれだけ儲かるの?」ときく経営者ではダメですね。
Q.幸せな社員を増やすために一番速効性のあることはどんな行動がありますか?
A.(丹羽)まずは、小さいことから始めることがオススメします。あまり、急がないことが大事です。例えば弊社では「お疲れ様」を言わずに、朝は「おはよう」、昼は「こんにちは」、帰る際は「また明日」や「よい週末を!」というようにしています。朝から疲れていないのに、「お疲れ様」は変ですよね?こういうちょっとした行動を変えることから、まずはやってみるといいのではないでしょうか。
お一人おひとりのご質問に、会場の皆さんにもインタラクティブに答えていただく場面があったりと、とてもアットホーム、かつ、贅沢な場となりました。
今回は、「イノベーション」と「Purpose」との関連性について、それぞれのエキスパートの立場からお話しを聞くことができた非常に貴重な機会となりました。「創りたい未来を創る」上で、この2つは注目キーワードなのではないでしょうか。