2019年5月~10月までの約半年間に亘って、東洋製罐グループホールディングス株式会社 有志活動ワンパクさま主催にてCHOプログラムの連続ワークショップ(全6回)を実施いたしました。
今回は、この連続ワークショップを企画してくださった東洋製罐東洋製罐グループホールディングス イノベーション推進室リーダーの三木 逸平(みき・いっぺい)様にお話をお伺いしました。
参考記事:丹羽 真理/幸せな組織作りからイノベーションが生まれる|OPEN UP! PROJECT
ワークショップの様子はこちらの記事からご覧いただけます。
幸せな組織作りからイノベーションが生まれる | Steps | OPEN UP! PROJECT | 東洋製罐グループ
※ワンパクとは?
東洋製罐グループの有志の皆さまが「Packaging(容器)の会社がOne(ひとつ)になろう」というコンセプトのもと、風土改革や社内外の交流・対話の推進、イノベーションの実現といったテーマで活動をされています。
聞き手:アイディール・リーダーズ CHO 丹羽真理
今回はどのような背景からCHO連続ワークショップを企画されたのでしょうか?
- 東洋製罐グループの100年を超える歴史を振り返った際に、イノベーションの推進のためには、「人と組織」に焦点をあてることが鍵となる、と考えたからです。例えば、レトルトパウチやマヨネーズのボトルがどう生まれたのかなど、過去のイノベーションを振り返ると、技術そのものも重要ですが、その裏で人がどのように行動し、社内外からのフィードバックを受け、個人と組織の強みを発揮したのかなど、人と組織の関係性やプロセスが大きく関わっています。
- 缶やボトルや瓶など、様々なイノベーションが起こった背景には、個人のPurposeや価値観、強みが発揮される組織の状況があったと思います。一方で、現在は同じ会社の中でも、部署を越えると顔も名前も知らなかったり、横のつながりが少ない、という状況がありました。
- その中で「パーパス・マネジメント」を読むと、「個々人と会社の存在意義に橋が架かることからイノベーションが生まれる」としっくりくるものを感じました。
- 会社主導で働き方改革の推進や育成のプログラムを行うと、ともすれば「やらされ感」に繋がってしまうこともあります。そこで、今回は会社主導ではなく、希望者が任意で参加できる、個々人の存在意義や自分らしさの深堀り、効果的なフィードバックの方法をワークショップとして導入したいと考えました。
確かに、人と組織が全てのベースですよね。
- イノベーションは人と組織の良い関係性から生まれると考えています。個人と組織の異なるパーパスに、個々人の強みの相互理解とフィードバックで、橋を架けることが重要です。人と組織の観点から様々な取り組みを行うことで、個々人の強みと自社の強みを掛け合わせてイノベーションが生まれていく期待を持っています。
連続ワークショップを実施してみていかがでしたか?
- 今回はグループ会社10社、45部門、令和元年入社の新入社員から役員の方まで延べ200名に参加していただきました。バックオフィス、営業、企画、研究開発など様々な業務を担当している人、管理職から若手まで様々な役職の人が混在してワークショップに参加し対話しあった結果、新しいつながりが生まれたり、そこで出会った方々が集まって新しい取り組みを始めたという事例も生まれています。
- また、この取り組みを通して習った「フィードバック」をさっそく現場で実践してみたところ、売掛金の支払いが遅れていた海外の取引先企業に振込いただけた事例もあります。
- 新しい取り組みが生まれていたり、今まで得られていなかった成果が得られたりと、目に見える成果が出ていますし、見えていないところでも参加者の皆さんがアクションを取ってくれていると思います。
- また、手上げ制で社内から参加者を募集することは決まっていた一方、どのような人が参加してくれるのかは全く想像できていませんでした。グループ会社も含んだ全社的な取り組みで、各回手あげ制で参加者を募る、という取り組みを実施するにあたっては不安もありましたが、結果的には、幅広い所属組織・職種・役職の方々が集まってくれて良かったです。これまでの社内の歴史でも例のない取り組みだと思います。
今回をきっかけとして、社内で変革を推進する輪ができると良いですね。
- この取り組みから生まれた火を絶やさぬように継続していきたいです。実際に、この取り組みで出会ったメンバーが、社内の新たな取り組みについて協力しながら推進している事例もあります。また、参加者が「他のグループのことも知りたい」と別部署の人や取り組みへの関心が高まったことも大きな変化でした。
- 同じ社内でも知らないことが多くある中で、自分たちが携わっている商品以外の商品を自然と知れる機会にもなりますし、これだけの人が集まって、継続して変革を推進していることに東洋製罐グループらしさと誇りを感じます。まだまだこの会社には底力があるな、と大きな力を感じています。
- また、経営層の方々が、業務時間中に様々な取り組みをすることを承認してくれることもこの会社の良さだと思っています。
貴重なお話をありがとうございました。この取り組みを今後どのような方におすすめしたいとお考えですか?
- イノベーションに取り組もうとしている人や会社、組織におすすめしたいですね。イノベーションに必要な「人と組織の強化」に取り組むための様々な仕組みがあるので、イノベーション推進を意図してこのプログラムを実施することは良い効果を得られると思います。また、一つ一つのプログラムが魅力的なので、それぞれをおすすめしたいと考えています。
- ※取り組みの内容
- ①パーパスマネジメントに関する講演+パネルディスカッション
- ②PARW(Purpose, Authenticity, Relationship & Wellness)ブレストワークショップ
- ③Purposeワークショップ〜自分のPurposeを見つけよう〜
- ④Authenticityワークショップ〜自分最強のエンジンを仕事に活かそう〜
- ⑤Relationshipワークショップ①〜CHO的1on1 本当の「聴く力」を高める〜
- ⑥Relationshipワークショップ②〜CHO的1on1 メンバーの主体性を引き出すフィードバック〜
ポジティブ心理学の研究では、「幸福度が高い社員はは創造性が3倍高い」と言われています。今回、イノベーション推進を目的にCHOプログラムを導入し、その成果が出始めているといったお話をお伺いでき嬉しく思います。三木様、東洋製罐グループホールディングス株式会社の皆様、改めましてありがとうございました。
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