アメリカで開催されたTEDxMSUDenverにて、大胆なPurpose(存在意義)を持つことで会社、顧客、そして地域コミュニティまでもが良い方向に変わった例が紹介されました。
日本語にて要点をまとめましたのでぜひご覧ください。
TEDxMSUDenver:David Bechtold (動画はこちらのリンクよりご覧いただけます)
アメリカで電子機器のリサイクルを有料で行っているBlue Star Recyclersの例を紹介しています。
会社のPurpose:
“Providing meaningful work for people with autism”
「自閉症の人たちに価値のある仕事を提供する」
--始まり
このパーパスを掲げたことで、会社のみならず、顧客、そして地域コミュニティまでも良い方向に変えてしまったBlue Star Recyclers。元々は、現在の会社オーナーが会社を設立する前に目の当たりにした、職業訓練所での自閉症の人の勤勉さ、作業の忠実さなどから、会社設立を決意したことから始まりました。
創業当時は、リサイクルビジネス自体利益がなかなか上がらず苦労の連続でした。古いパソコンなどのリサイクルに対応していましたが、わざわざお金を払ってリサイクルすることにお客さんがあまりついてこなかったそうです。
--危機
利益が中々上がらず会社存続の危機が訪れた時、会社オーナーが最も危惧したのは、障害を持つ従業員たちでした。会社が無くなれば彼らが職を失うことになります。非常に優秀な彼らですが、障害があるという理由から社会で働くことのハードルが高く、また以前の職業訓練所へ逆戻りということになりかねません。
--転換の訪れ、そして現在
そこで、会社オーナーが出した結論はNPOへスイッチすることでした。
NPOにスイッチしたところ、会社のPurposeに共感する地域住民からたくさんの寄付が集まり、Blue Star Recyclersはうまく軌道にのることができたのです。
今ではお客さんが会社のためにリサイクル品を集めてくれるまでになりました。
このように、Purposeが軸となり会社、顧客、地域コミュニティが大きく変わっていったのです。
その他TEDxで話されているポイント:
・10人のうち8人のミレニアル世代が、Purposeを見てどこで働きたいか、どこで買い物をしたいか決める
・Purposeは企業を弱くするのではなく、強くする
・Purposeは価値を作る
・Purposeを掲げる会社は利益の先を見ている
弊社CHO丹羽真理による書籍「パーパス・マネジメントー社員の幸せを大切にする経営」でも以下の一節があります。
Purposeがあることにより、組織においては一貫性のある戦略が描かれ、一体感が生まれます。また、Purposeに共感した社員が高いモチベーションでその能力と創造性を発揮することにより、大きな価値が生まれます。さらに、Purposeから生まれた商品・サービスは顧客の共感や支持を生み、それが売上や利益となり、企業の持続的な繁栄をもたらします。(p.92より一部抜粋)
Blue Star Recyclersは、まさに上記のお手本のようなケースと言えるのではないでしょうか。
TEDxとは?
アメリカに本拠地を置きプレゼンテーションイベントを組織する非営利団体TEDから公式にラインセンスを受けて行われるプレゼンテーションイベントのことを指します。