今回のイベントレポートでは、2019年12月5日に株式会社翔泳社にて行われた『ビジネスリーダーのための「パーパス・マネジメント」講座 ~経営の北極星となるPurposeを企業活動に落とし込む~』をご紹介します。
本イベントでは、
・【レクチャー】パーパス・マネジメントについて
・【ワークショップ1】個人のPurposeを探究する
・【ワークショップ2】会社(組織)のPurposeを探求
・【ワークショップ3】個人のPurposeと会社(組織)のPurposeのつながりを考える
という構成で実施しました。
パーパス・マネジメントの定義と意義について
会社のPurpose(存在意義)をすべての起点として、それに沿った形での戦略立案や意思決定、社内外向けの施策を実行することを、アイディール・リーダーズでは『パーパス・マネジメント』と定義しています。
近年は『ブランディング・パーパス』がPR業界のみならず、経営の文脈でも語られるようになりましたが、私たちが考えるPurposeはPRやブランディングに限らない概念で「会社(組織)の社会的な存在意義」を指します。
パーパス・マネジメントによるメリットを本セミナーでは4つ紹介しました。
- 働き手から選ばれる会社になる
- 顧客から選ばれる会社になる
- イノベーションを生み出す
- 好業績を生み出す
代表的かつ身近な例として、パタゴニアのPurposeとプロダクト、そしてマーケティングキャンペーンを取り上げました。
また、Edelman社が行った消費者調査(2018年)のデータ『日本人の6割が「ビリーフ・ドリブンな購買者」である』ということも紹介しました。
※「ビリーフ・ドリブン」とは、その製品やブランドの社会問題等に関するスタンスによって、購買するかしないかを決めるという意味。
出所)2018 Edelman Earned Brand. Belief-driven buying segments. 日本
関連ブログ:
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企業パーパスが持つポテンシャルパワー
ニューノーマルを生き抜くためのパーパス
このように、会社(組織)としてPurposeを明確にし、それに沿った経営や意思決定を行うことで、ビジネス上、様々なメリットがあることがわかっています。
では、Purposeは経営陣だけが意識してれば良いのでしょうか?
パーパス・マネジメントが会社全体として一貫性を持って本当に実行されるためには、経営上の意思決定のみならず、所属している社員一人ひとりの日々の業務や行動にも反映される必要があります。
そのためには、社員が会社(組織)のPurposeに本当に共感し、自分ごととして捉えることが鍵となります。
Purposeが「上から与えられたもの」となってしまっては、Purposeに沿って真剣に取り組みたい!とはなりませんよね。多くの会社で、Purposeやミッション・ビジョンについて「そのフレーズ、聞いたことはあるけれど、特に意識していない」という社員が多い状況があるのではないでしょうか。
社員の共感を生み出すために、ポイントとなるのが、その会社(組織)のPurposeに、自分の価値観と合う部分があるな、と実感できるかどうか、ということ。言い換えると、自分(個人)のPurposeと、会社(組織)のPurposeにつながりが見いだせること、にあります。
個人のPurposeを見つける
そこで、まずは、個人のPurposeを見つけるワークを行いました。
自分が大事にしている価値観を見つけたり、ペアインタビューを通じて、自分が大切にしてきたことや、社会に対する想いを深掘りしていきます。最後に、Purposeステートメントを表現し、グループで共有しました。
組織のPurposeについて考える
次のワークでは、各参加者が所属する組織のPurposeについて考えていきました。
まず初めに「4つの問い」を糸口にして、組織の存在意義や社会的意義について内省する時間を取りました。
例えば、以下のような問いです。
『その価値を提供することを通じて、あなたの組織は社会全体にどのような影響を与えたいですか?与えようとしていますか?』
このような問いについてあらためて考えることを通じて、自社(組織)のPurposeを言葉にしていきました。
個人と会社(組織)のPurposeのつながりを見出す
最後に、ワークショプ全体のまとめとして、個人のPurposeと会社(組織)のPurposeのつながりを見つけていきました。「会社(組織)のPurposeに沿って仕事に取り組むことは、自分のPurposeの実現にとってどのような意味がありそうか?」という問いに答えていくことによって、会社(組織)のPurposeが「自分ごと化」するプロセスを体験いただけたのではないでしょうか。
ご参加頂きました皆さま、改めまして誠にありがとうございました。
アイディール・リーダーズでは、パーパス・マネジメントに関するレクチャーや、個人と組織のPurposeを考えるワークショップを、各社の背景やニーズを踏まえてご提供していいます。
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