シナリオプランニング
Scenario Planning
シナリオプランニングとは、起こりうる未来について複数のストーリーと適応・創造策を検討する未来洞察手法です。
幅広い外部環境情報に触れながら、不確実性の高低や自社へのインパクトについて多角的に議論を行います。
経営陣セッションや次世代リーダー育成プログラム、ビジョン策定の前段階として活用されています。
組織に以下のような課題はありませんか?
- 未来の外部環境を踏まえ、豊かな発想や具体性あるビジョン策定を実現したい
- 次世代リーダー層に視座を高め、長期や全社視点から判断を導けるようになって欲しい
- 不確実な時代において、ビジネス上の機会や脅威を幅広く検討し備えたい
上記のような場合、シナリオプランニングが有効です。
シナリオプランニングとは?
シナリオプランニングとは、幅広い外部環境情報に触れながら、起こりうる未来について複数のストーリーを構築していく未来洞察手法の一つです。
VUCAと言われる時代環境下、「起こりうる複数の未来」に焦点を当てながら幅広く戦略や施策を検討するため、外的な変化に対して迅速な対応を可能とすることが特徴です。 また、より豊かな発想、具体性あるアイデア、挑戦的であったり納得感あるビジョンを策定することにつなげることができるため、 ビジョン策定のファーストステップとして実施されるケースも多くあります。
シナリオアウトプット参考例「2030年の経営」
シナリオプランニングで得られる効果
・未来の技術、価値観、社会の姿などに即して、ビジョンの質を高めることができます
・次世代リーダー層の外部環境への理解が進み、備えるべき未来についての共通認識ができます
・それまで見過ごしてきたビジネス上の機会や脅威に検討を加えることができます
アイディール・リーダーズのシナリオプランニングの特徴
ビジョン策定に適したシナリオプランニングの考え方
シナリオプランニングを通じて描いた起こりうる未来の扱い方には、「複数の未来はどれも等しく起こりえて、それらに適応する」とするものと、 「自社やステークホルダーと共に特定の望ましい未来を実現する」とする2つの考え方があります。
弊社でビジョン策定のために活用するシナリオプランニングでは、後者の考え方を適宜採用し、ビジョン策定メンバーが共に望ましいと考える未来を引き出します。
シナリオプランニングのアウトプットを左右する良質な未来のインプット
シナリオプランニングの実施にあたり、 STEEP(Society:社会 Technology:技術 Economics:経済 Environment:環境 Politics:政治)といったフレームを用いて、 マクロな視点で未来に関する多様な情報をインプットすることが重要です。
弊社では、未来に関して踏まえるべき独自の記事リストを作成、提供しています。 また、未来を肌で感じとるために様々な現場訪問を行うことがありますが、スタートアップから上場企業、NPO法人まで、 弊社が有する広いネットワークから受け入れ先をご紹介することが可能です。
シナリオプランニングのプロセス詳細
私たちが提供するシナリオプランニングでは、以下の3つのプロセスで構成されています。
外部環境のインプット
●テーマに関わるインプットのため、社内外の関係者・専門家インタビュー、論文や記事を収集します。
●テーマに関わる現場を訪問し、チーム内で対話・内省しながら思考の枠を拡げます。
シナリオの作成
●重要事項の選定
インプットを基に議論し、未来を大きく動かす駆動要因を特定します。
●2軸の選定
未来を大きく分かつ2軸を検討し、4つの異なる未来シナリオを構築します。
シナリオの活用
●「未来のシナリオがもし実現したとしたら…」というWhat if思考で自社への影響を深めます。
●各シナリオに共通して起こる可能性が高いこと、各シナリオで異なる不確実なことなどを踏まえビジョン策定や戦略の検討を進めます。
※上記は参考例です。ワークショップ設計やスケジュールはお客様のご要望に合わせて柔軟に変更いたします
ソリューションの設計思想
(なぜこのサービスが生まれたのか?)
シナリオプランニングは、単一の確からしい未来を前提に置くのではなく、 起こりうる複数の未来を洞察していく点において、VUCAワールドに適した未来洞察手法と言えます。 不確実性を前に思考停止に陥るのではなく、今のビジネス環境の「当たり前」を見つめ直し、継続的に思考をアップデートすることを志向します。
私たちは、往々にして不確実な未来を歓迎しませんが、一方で未来をしっかりと見据えることで、 自社にとっての機会や脅威を見出し、適切な対応をとることが可能になります。 そのため、シナリオプランニングはビジョン実現に向けた戦略オプションの検討について有効性を発揮します。
また、シナリオプランニングはビジョン策定の前工程としても効果的です。 例えば、弊社が提唱するビジョン策定アプローチでは、多くの関与者を策定プロセスに巻き込むことでビジョン共感度を高めることを得意としています。 その際、シナリオプランニングを用いることで、策定メンバーが全社や長期視点で物事を捉え、未来への共通認識を醸成していくことができるのです。 多くの企業が望ましい未来を描き、その未来を創り出す。シナリオプランニングがその実現を支援する一つになることを願っています。
導入事例
東急建設株式会社
ご依頼の背景
昨今の事業環境の劇的な変化を受け、ビジョン 2030・長期経営計画の策定に際し、 足元の環境変化だけを捉えるのではなく、将来に向けての不確実性の高まりを強く意識し、シナリオプランニングを実施。 マクロ環境と建設市場における複数の未来を洞察した上でビジョンや戦略を検討したいと考え、実施を依頼しました。
プログラムによってもたらされた変化・反響
未来のマクロ環境を複数想定した上で、自社ビジョン・戦略の前提となるメインシナリオを選定するというプロセスを経たことにより、策定したビジョン・戦略への納得感が高まりました。 また、メインシナリオ以外のシナリオが進行していく可能性を含めて俯瞰的に捉えることで、不確実性がより高まる事業環境下に対して適切な戦略を策定することにつながりました。
導入事例
WORK MILL(株式会社オカムラ)
ご依頼の背景
働き方改革はもとより、新型コロナウイルス感染症の流行・拡大を受け、私たちのライフスタイルやワークスタイルに大きな変化が起こっている。 株式会社オカムラによる働き方や働く場をさまざまなステークホルダーと共に考えるプロジェクト「WORK MILL」では、 2030年の働き方やオフィスの姿について未来洞察を実施し、レポート「未来の働き方とオフィス 2030」を制作しました。
プログラムによってもたらされた変化・反響
未来のマクロ環境を複数想定した上で、起こりうる複数のシナリオを描くプロセスにより、 組織という視点だけでなく個人一人ひとりが未来への行動自体を考え、 見つめ直す意識改革につながりました。 そして、このシナリオをオープンにすることで自社の事業戦略にとどまらず、顧客を含めたさまざまなステークホルダーと未来の働き方や働く場をつくりだす“共創”を生み出していきたい。
Q&A
よくある質問
よくある導入ケースは、一部の経営陣が自社の現状に強く危機感を持つ一方で、その危機感が他の経営陣やミドルマネジメントに十分に共有されていない場合です。 「想定外」が頻発するVUCAワールドの中で、起こりうる外部環境変化と自社ビジネスへの影響について十分議論がなされていない場合や、 過去の体験に縛られた議論、変化よりも現状の延長で思考する習慣が根付いている場合などは「ゆでガエル」現象に陥っている可能性もあります。 「もし外部環境として○○が起こったら」というWhat ifベースの議論の場を検討ステップとして設けてみることが効果的な場合もあります。
狙いや内容によって対象者や適性人数は変動しますので、ご相談ください。 過去には、経営陣10数名、ビジョン策定プロジェクトメンバー(経営陣+部門横断の次世代リーダー)10~40名などの実施実績がございます。 柔軟に調整することが可能です。
一般的には未来を分かつ2軸で区分された、4つの異なる未来の世界を表す文章を参加者主体で作成します。 また、グラフィックレコーディングという手法を用いて、リアルタイムで未来の世界をビジュアル化することも可能です。 加えて、シナリオの策定メンバー以外の関係者へもシナリオを積極的に共有し、意思決定に活用してもらいたい場合には、シナリオレポート、イラスト、動画などを作成します。
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