ビジョン策定のためのシナリオプランニングの手法

ビジョン策定のためのシナリオプランニングの手法

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新型コロナウイルスの影響を受けて私たちはビジネス環境の大きな変化に直面しています。また、コロナのみならず、今後も想定外のことが頻発しうるVUCAワールドにおいて、理想の未来像を示すビジョン策定をどのように適切に進めることができるのかに悩む経営陣・事業トップ・経営企画の方々も少なくありません。

ビジョン策定は、意識・無意識的にも特定の未来を前提において進められます。未来の前提とは、例えば、技術の進歩や普及、人々の価値観、環境に対する規制やルール、都市と地方の関係性など自社を取り巻く外部環境の状況です。一方で、VUCAワールドでは未来は不確実性に満ちています。ビジョン策定者には、現時点で未来に対してどのような前提を持っているのかに自覚的になりながら、現状とは大きく異なる未来の可能性を複数想定し、そうした未来世界で、自社や顧客、社会がどうなって欲しいのかを検討していくことが求められます。

そこで有用となってくるのが「シナリオプランニング」と言われる未来洞察手法です。シナリオプランニングでは、幅広い外部環境情報に触れながら変化の構造を理解し、複数の起こりうる未来を構築していきます。

シナリオプランニングを活用してビジョン策定を進める利点の一つは、過去や現状を起点とするのではなく、起こりうる未来を起点としてビジョンを考える状況を構築できる点にあります。そうすることで、より豊かな発想、具体性あるアイデア、挑戦的なビジョンを策定することにつなげることができます。

また、シナリオプランニングを用いたビジョン策定のもう一つの利点は、関係者間での共通認識の醸成です。ビジョンの策定自体が目的化しがちですが、ビジョンは社員やステークホルダーが理解・共感し、実現に向かうことが重要です。そのための方法の一つが、ビジョン策定プロセスに多くの社員を巻き込むことです。その際に重要となるのは「視座を高めること」「共通認識を築くこと」です。シナリオプランニングを通じて、時間軸・空間軸を広げながらマクロな視点で未来を洞察していくことで視座が高まり、また共通認識が生まれることで、ビジョン実現の可能性が高まります。

この度、ビジョン策定を主導する経営層・事業部門・経営企画の方々に向けて、シナリオプランニングの手法を体験的に理解できるセミナーを開催いたします。セミナー後には個別相談を受けることも可能です。

セミナー概要

開催案内

日時:2021年9月22日(水)14:00〜16:00(開場13:50)

定員:50名

費用:無料

対象:ビジョン策定に関わる経営層・事業部門・経営企画部の皆さま
    *同業者・個人事業の方の参加はご遠慮いただいております

会場:オンライン(zoom)にて実施

備考:セミナー内においてシナリオプランニングの体験ワークを実施予定です

   できるだけ会話が可能な状態でご参加ください

 

※申込締切は9月19日(日)23:00となります。

※お申し込み人数が規定人数に達しない場合は中止とさせて頂く場合がございます。予めご了承ください。

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シナリオプランニング例

アイディール・リーダーズ社では、「シナリオプランニング」手法を用いて、コロナ関連の情報に加え、現在起こっていること/未来に起こりうることの情報を幅広く収集しながら、「2030年の社会・経営の姿」に関する未来洞察を行いました。

ビジョン策定において、その前提となる複数の未来シナリオを構築することのメリットとして下記が挙げられます。

  • アフターコロナの世界がどうなるかの検討を踏まえたビジョン策定が可能となる
  • 未来に関する共通認識に基づく共有ビジョンを生成できる
  • 意思決定者やリーダーの思考の枠が拡張されビジョンに基づく意思決定を容易とする

 

シナリオプランニングを進める中では、未来における不確実性が低いこと(=高い確率で起こると考えられること)と、不確実性が高いこと(=実際に起こるかが不明なこと)を区別していきます。

私たちが独自にシナリオプランニングを進める中で、不確実性が低いと見込んだことは、下記の通りです。

  1. 日本国内における総人口の減少、高齢化と生産年齢人口の減少
  2. グローバルでの日本経済の相対的プレゼンスの低下
  3. ミレニアル世代やZ世代など新たな価値観を持つ世代が総人口に占める割合の増加
  4. AI・ビッグデータ、自動運転、ロボット等テクノロジーの進展と浸透
  5. 世界人口のさらなる増加と世界人口の高齢化
  6. 中国・インドなどアジアの経済成長による世界経済の重心シフト
  7. 気候変動による自然災害リスクの高まり
  8. 新興国の成長やテクノロジーの進歩を背景とした世界の複雑化・結合の高まり

私たちが不確実性が高いとみなした事柄は数多くありましたが、その中でもそれが起こったとしたら2030年の社会・経営に相対的により大きな影響を与えうると考えるものを二つを選定しました。一つは、グローバルレベルで株主資本主義が強まるか、ステークホルダー資本主義が強まるか。もう一つは、日本国内において都市集中型社会が強まるか、分散型社会が強まるか、ということです。

不確実性が高いことを二軸に据え、異なる4つのシナリオ(未来において起こりうる世界)を作成。不確実性が低いことは全てのシナリオに反映しています。また、4つのシナリオはいずれも、2030年に等しく起こりうる未来と考えられます。

未来の不確実性をいかに適切に扱いながらビジョン策定を進めるかのヒントが得られる貴重な機会です。またご参加いただいた皆さまには、アイディール・リーダーズ社が独自に実施した「2030年の社会・経営シナリオ」の簡易冊子(データ版)をお送りいたします。

参考:シナリオプランニングのアウトプットイメージ

参考:シナリオプランニングのアウトプットイメージ

登壇者紹介

アイディール・リーダーズ(株)コンサルタント
後藤 拓也 / Takuya Goto

 

大学卒業後、広告会社勤務を経て、英国シューマッハ・カレッジ  大学院に留学。「ホリスティック・サイエンス」修士号を取得後、 人材開発・コンサルティング企業にて講師・ファシリテーターと  して、「システム思考」や「学習する組織」の理論や方法論をベ   ースとした人や組織の変容に携わる。2015年5月よりアイディー ル・リーダーズ株式会社に参画。シナリオプランニングやビジョ  ン策定などを通じた人材開発・組織開発コンサルティングや、上  場企業役員・ベンチャー経営者など多様なリーダー層に向けたエグゼクティブ向けコーチングサービスを提供している。