株式会社JTOWER 働く意義を根っこから再認識し主体性を引き出す パーパスワークショップ

株式会社JTOWER
働く意義を根っこから再認識し主体性を引き出す
パーパスワークショップ

株式会社JTOWER

株式会社JTOWER

https://www.jtower.co.jp/

複数の通信事業者の通信設備を共用化するインフラシェアリングを主軸とし、様々な関連サービスを展開。「日本から、世界最先端のインフラシェアリングを。」をビジョンに掲げ、5G推進への取り組みなど、通信業界全体に資する経済的で効率的なソリューションの提供を目指す。

話し手
株式会社JTOWER
執行役員 人事統括部長 池本 典広 様
人事課長 中村 隆宏 様


※以下インタビュー記事内では敬称略で掲載させていただいております。
※この記事内の肩書き・役職は取材当時のものです。
聞き手
アイディール・リーダーズ株式会社

ご依頼の背景

株式会社JTOWER様は、能力の伸長や組織への貢献度など「個人」に焦点を当てた評価制度に改定されるタイミングを迎えており、それぞれが納得のいく評価軸を設定するために自分自身を見つめ直す機会を求められていました。そこで、全社員を対象に、自分が働く意義を振り返り目の前の仕事とのつながりを考えるというワークショップを実施しました。
今回は、本ワークショップを企画した人事統括部 池本様、中村様に、取り組みの背景や内容、成果や気づきなどを伺います。

アイディール・リーダーズにパーパスワークショップを依頼した経緯や理由を教えてください

個人の能力や組織への貢献にフォーカスした評価軸を設定するために、自分自身を見つめ直し想いを棚卸しする機会を求めて依頼を決意。

池本

ちょうど1年ほど前に実施した全社員との面談を通して、人事評価における課題が浮き彫りになったことがきっかけでした。会社全体で1つの成果を出すという当社のビジネススタイルの中で、各個人の組織への貢献度が反映されづらい指標になっていたため、もっと個人の能力やその伸長、自らで設定した目標への到達度などにフォーカスした評価制度に改定することになったのです。個人の能力を指標にする場合、各個人が仕事に対する想いや目指す姿を明確に持っておく必要があることから、社員への働きかけをスタートさせるタイミングで御社にご相談させていただきました。

吉田

今回池本さんが特に重要視されていたのは、「自分の仕事と自分がやりたいこととの繋がり」や「自分がここで働く目的や意味」といった根本的な価値観の明確化でしたよね。

池本

当社は成長期にある会社ですし、目の前の仕事に一生懸命になって埋もれてしまう人も多いので、まずは自身がどうありたいのかという部分を思い返す時間を持つ必要があると思いました。そのためにも、今回のワークショップは効果的であったと感じています。

パーパスワークショップをやってみた感想、ワークショップを通して何か気付きがあれば教えてください

社員同士での対話を通して前向きに自己開示し、座学では学べない新鮮な考え方の切り口を学び合っている様子が印象的だった。

池本

当初想像していた以上に、参加者全員が楽しみながら自己開示してくれていました。

吉田

当日の朝、参加者の方が「楽しみにしていたんです!」と話してくださったのはとても印象的でした。また、少し頭を悩ませるような問いに対して筆が止まることはあっても、向き合うことを諦めず考え続ける姿勢に、みなさん本当に真摯に取り組まれているなと感じました。

森田

グループワークも非常に活発で、お互いに相手の価値観の言語化をサポートするような関わりをされていたのも印象的でしたね。

池本

今回のワークショップは、自分の価値観や仕事をポジティブに捉える機会として機能したのではと思っています。実は、今回の参加者のうち、部長クラス以上の社員は、先駆けて自己分析やビジョン策定といった活動を経験していました。チームを引っ張る存在の彼らが研修の重要性を理解していたというのも、雰囲気の良さを醸成した要因の1つだったのかもしれません。

中村

私は今回受講者としても参加しましたが、大事なことであると理解しつつも忙しさから後回しにしていたことだったので、機会をいただけてありがたかったです。ペアの相手が普段接点の少ない年上の社員だったので、対話を通して視野が広がったと感じています。考え方の切り口などはただの座学では学べませんから、対話の重要性を改めて感じる貴重な機会になりました。

ワークショップを実施した後、社内で何か変化はありましたか?

目標設定の場では自己開示をもとにした対話が主軸に。上司と高いレベルで理解し合えることで、本人の希望に沿った業務やキャリアのアサインの実現に期待も。

池本

事後アンケートの結果からも、表面的な変化というより個人単位での内省的な変化を実感している人が多い印象です。

中村

個人的には、各々の目標を設定する場で、自己開示から始めてもらえているのは大きな変化だと思っています。「自分の想いや考えを上司に伝えていいんだ」と思えるきっかけになってくれたら嬉しいです。

池本

自己開示による相互理解の深まりが、上司と部下のコミュニケーションの質にいい影響を与えていると思います。従来の目標設定のための面談は、既存の行動目標や数値などのすり合わせがメインとなっていましたが、今後はより個々人の想いややりたいことに関する対話が大切な要素になっていきます。その上で、会社・部のビジョンから達成すべき目標設定や中長期的な課題整理をできるようになったことが、社員一人ひとりが描くキャリアの実現を上司がサポートするという本質的な人材育成にもつながっていくと感じています。今回ワークショップに参加した現役社員たちが、日常的に自身のキャリアや目指す姿を考える状態になり、文化として後輩たちに伝承されていくといいですよね。

森田

その文化伝承のシステムをオンボーディングの一環として実践できるととてもいいと思います。先輩や上司が後輩に対して、普段から考えることの大切さなどを伝えていくことで、自分のパーパスを思い出したり、仕事の意義に思いを馳せたりできるのではないでしょうか。

池本

そうですよね。上司と部下が高いレベルで理解し合えていることで、結果として本人のニーズや想いに沿った業務やキャリアをアサインすることが可能になるので、パーパスについては継続的に、しっかりと考えてほしいです。

社員の皆さんが仕事の意義を感じながら働くために、今後取り組まれることはありますか?

「自分は何のためにここで働くのか」「自分にとって幸せとは何なのか」に対する答えは全ての根っこ。だからこそ、採用活動や入社後の目標設定で重要視していきたい。

池本

例えば採用活動において、これまでは事業への興味や仕事に対するスキル・経験といった観点でのマッチングが優先されていたので、会社の思想やカルチャー、大切にしていることとのマッチングを実現できる切り口を増やそうと考えています。

吉田

今回のワークショップでみなさんに考えていただいた「何のためにここで働くのか」の部分を採用の段階でも重視されるということですね。評価制度の側面では何か新しい取り組みは予定されていますか?

池本

会社の価値や生産性を上げるためにも社員に対してしっかりと報いていきたいですし、そのためには納得度の高い評価軸が必要だと思っています。現時点では、冒頭でお伝えしたような、業務の成果に対する評価だけでなく、自己成長や自己実現という観点で結果を出すことで評価に繋がる仕組みの運用を少しずつ始めています。目の前の仕事が自分のやりたいことと繋がっていて、自分の成長を後押しし、ひいては報酬として還元される。そのような形を実現するためには、やはり目標設定の根っこは「自分の幸せ」「ここで働く意義」であるべきだと私は思っています。

吉田

社員の方々が会社に対して「自分たちのことをしっかりと考えてくれている!」と感じる前向きなメッセージにもなりそうですね。

池本

私の場合、社会人になってからずっと「キミの夢は何なの?」「何がしたくてここにいるの?」といった問いを日常的に投げかけられる職場に身を置いてきたので、当たり前の感覚です。当社でもスタンダードな考え方として浸透していくといいなと思います。

どのような組織にアイディールのパーパスワークショップをおすすめしたいですか?

ボトムアップの形へと変化しつつある会社や、若い世代を多く抱える会社に、このワークショップを社員それぞれにとっての「人生の主体性」を取り戻すきっかけとしてほしい。

池本

トップダウン型のリーダーシップから脱却したい会社ですかね。社員の力をボトムアップで活用したい、成長を自分が引っ張るのではなく会社全体で盛り上げていくフェーズへと移っていきたいと考えている会社にとって、このワークショップで得られたような機会を持つことはすごく重要だと思います。

吉田

私自身は、このワークショップは「自分の人生の主体性を取り戻す」ためのものだと考えています。やらされ仕事ではなく、自分の人生の大切な時間を、何のために使いたいんだっけ?ということを思い出す原点という認識です。そういう意味では、今池本さんがおっしゃったボトムアップの形へ変化するフェーズにいる会社様にはぴったりの内容だと思います。

中村

何かを変えたい、成長にドライブをかけたいというタイミングでは、1つのきっかけになりますよね。働きがいに直結する話なので、その部分の自己理解が深まれば個人の勢いが増し、会社全体の推進力に繋がると思います。その状態にある中で「じゃぁ何をやろうか」というところに繋げられれば、いいものが生まれるのではないでしょうか。

池本

あとは、新卒3年目くらいの社員にも効果がある気がします。入社して以来熱意を持って仕事に邁進してきたけれどこのままでいいのか悩む…みたいな時期が来るじゃないですか。これから先の働き方や何に向き合うのかということを考えるきっかけになるので、若い世代を多く抱える会社さんにはいいと思います。

中村

私自身、新卒入社したメンバーと定期的に面談をしているのですが、何かを見つけて走り出している人がいる一方で、自分はどうなりたいかまだわからない、というような焦りを抱えている社員も少なくないです。自分を見つめ直す時間が、自身のエネルギーの湧きどころを知ったり、新たにエンジンがかかったりするきっかけとして機能すれば、面談の内容が目の前の仕事の話からキャリアアップや自己実現の話などに自然と変わっていくのかもしれませんね。

株式会社JTOWERの皆様、お忙しい中ありがとうございました!

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