株式会社マイナビ パーパスを浸透させ、会社の新しい文化・風土として盤石にする パーパス共鳴施策「エヴァンジェリスト育成プログラム」

パーパスを浸透させ、
会社の新しい文化・風土として盤石にする
パーパス共鳴施策
「エヴァンジェリスト育成プログラム」

株式会社マイナビ

株式会社マイナビ

https://www.mynavi.jp/

株式会社マイナビは、1973年に設立され、2023年に創業50周年を迎えた総合情報サービス企業。就職情報をはじめ、転職、進学、アルバイト、ニュースメディアなど幅広い事業を展開する。パーパスに「一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。」を掲げ、すべての人に対して、今までの生き方にとらわれない、これからの生き方をサポートし続ける。

話し手
株式会社マイナビ
■マイナビ50周年記念事業プロジェクト
上席執行役員 人事統括本部 統括本部長 
粟井 俊介様
執行役員 経営・業務改革推進室 室長 
平井 祐次様
人事統括本部 人材開発統括部 / デジタルテクノロジー戦略本部 AI戦略室 室長 
谷本 健次様
経営管理本部 財務戦略2部 
坂本 嵩幸様
■マイナビ50周年 MYパーパス エヴァンジェリスト
就職情報事業本部 東京営業統括本部 東京第2営業統括部 統括部長
市村 彰宏様
※以下インタビュー記事内では敬称略で掲載させていただいております。
※この記事内の肩書き・役職は取材当時のものです。
聞き手
アイディール・リーダーズ株式会社

ご依頼の背景

株式会社マイナビでは、創業50周年を迎えるにあたりパーパス浸透を目的としたさまざまな施策を実施。そのひとつとして、誰もがパーパスを「自分ごと」として語れる状態を目指し、エヴァンジェリストを起点としたパーパス共鳴活動をアイディール・リーダーズに依頼いただきました。
今回は、本プロジェクトを推進されたマイナビ50周年記念事業プロジェクト事務局の粟井様、平井様、谷本様、坂本様と、エヴァンジェリストとして活動に参加された市村様に、取り組みの背景や内容、それぞれの視点で感じられた成果や気づきなどをお伺いしました。

本プロジェクトの実施に至った背景・経緯を教えてください。

50周年プロジェクトの柱として、社員一人ひとりが「マイナビのパーパス」と「自分自身のパーパス」の重なりを見出す取り組みをスタート。

粟井

当社は、2023年の8月15日に50周年を迎えました。その節目のタイミングに先駆けて、2022年から理念体系を一新するプロジェクトが動き出しました。その結果生まれたのが「一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。」というパーパスです。当社への社会からの注目度が高まる中で、ステークホルダーに対してメッセージを発信することは、企業としてはもちろん社員一人ひとりにも求められます。そのため、社員一人ひとりが当社のパーパスをしっかりと理解して、自分の言葉で語り、体現していくきっかけを用意したいと思い、本プロジェクトをスタートしました。50周年の節目にあたり、策定したパーパスを社員が自分事化するフェーズで、アイディール・リーダーズの知見もお借りしながら本格的に実行していきました。

本プロジェクトにおいて、社員一人ひとりが自身のパーパスを見つけ、そのうえでマイナビのパーパスとの重なりを見出すことを重視された背景について教えてください。

会社のパーパスを自分事として捉えるには、社員一人ひとりが自分や仲間のマイパーパスを紐解きながら、多様な価値観を受け入れていくという過程が大切だと考えた。

粟井

マイナビは、グループ全体で14,000人ほどの社員がおり、担当している事業も業務内容も人それぞれです。そういった環境から、当社のパーパスはそれぞれが自由に解釈できる余白をあえて残しています。一方で、抽象度の高さゆえ、時間をとって丁寧に向き合わなければ自分事化して考えづらいという側面があるのも確かです。ですから、本プロジェクトを通して、まずは社員が「マイパーパス」と向き合い、自分自身と「会社のパーパス」との重なりを見出していく必要があると考えました。

桜田

パーパスの浸透や共鳴において「マイパーパス」に重きを置いていたことは素晴らしいと思いつつ、数字を追う強さを持つ御社の取り組みとしては少し意外でした。どのような想いがあったのでしょうか。

粟井

おっしゃる通り、当社は数字を追い求める意識が高く、スピード感を持って仕事を推進する力が成長の源泉でした。しかし、ここ数年の状況の変化を捉え、「これまでの成功法則が通用するとは限らない。私たちは世の中に対して新しい価値を提供し続けられる存在に進化していかねばならない。」と感じています。
その実現のためには、多様な価値観を受け入れることが最初の足掛かりとなると考えました。ですから、まずは社員一人ひとりのキャリア観やマイナビという会社を選んだ理由、現在に至るまでのバックグラウンドなどを整理し、世代を超えた仲間と価値観を共有しながらお互いのマイパーパスを紐解いていくこと、その先に「マイパーパス」と「マイナビのパーパス」との重なりを見つけてもらう過程を大切にしました

本プロジェクトの推進にあたって、活動の中心となる「エヴァンジェリスト」の人選をどのように行ったか教えてください。

社員一人ひとりの「マイパーパス」と「マイナビのパーパス」の繋がりの言語化を支援する「パーパス・エヴァンジェリスト」を社内から募集。各支社の支社長を中心に、取り組みに共感してくれる個人がエヴァンジェリストとして集ってくれた。

谷本

エヴァンジェリストは、各事業部で推薦していただいた方や、手挙げ制で参加を表明してくれた方、そして日本全国の各エリアの支社長にお願いしました。
各支社で推薦された方や、参加の意思表明をしてくれた方はもちろん、支社長にもエヴァンジェリストを担っていただくことで、それぞれの支社のなかで、事業部という縦のラインを超えて、お互いの仕事に対する想いや、大切にしていることを共有しあえたことも効果があったと思います。

坂本

事務局から、各事業部長に直接ご説明しに行き、社歴や年次、肩書きの有無に関係なく、取り組みに共鳴してくれる人、熱意を感じられる人という観点で人選をお願いしました。

桜田

直接人選のお願いをしに伺うとはかなり丁寧な印象ですが、何か意図がおありだったのですか?

坂本

そうですね。全社的な取り組みとはいえ、事業部の理解がないと取り組みは進まないですし、通常業務を離れての取り組みにもなります。プロジェクトを進めるためにも、事業部長をはじめ、それぞれの事業部に丁寧に説明する必要があると感じていました。

谷本

各方面に納得いただくためにも、事務局としては、覚悟を決めて高い温度感でスタートをきった印象です。

エヴァンジェリストとして本プロジェクトに参加した市村さんにお伺いします。参加された背景や経緯、動機について教えてください。

自分の思考や経験を棚卸しするなかで、会社と自分の思い描くものが近いことを再確認し、今後の活動に対して前向きな気持ちになれた。

市村

私がエヴァンジェリストに選ばれたのは、上司の推薦があったからです。任命された当初は、「パーパスを広めていくんだな」くらいの感覚でしたが、活動していくなかで徐々にプロジェクトの本質がわかってきたように思います。
私自身、マイナビのことが好きですし、ミッション・ビジョン・バリューを掲げて組織運営を行うのが得意なので、エヴァンジェリストに選出されたことは嬉しかったです。マイナビのパーパスも、私が普段から思い描いているものと共通する点が多く、すんなりと受け入れることができましたね。しっかりとやっていこうという熱量を持って引き受けました。

与那覇

市村さんには、パーパスワークショップの体験会・練習会にご参加いただきました。率直なご感想や、印象に残っていることを教えていただけますでしょうか。

市村

普段から組織を運営する立場にあるので、メンバーの言語化の支援や、対話のファシリテートを行う機会は多々あります。そのため、今回は自分の思考や経験を棚卸ししながら参加していました。自分はやはりチームをかなり意識するタイプなんだなとか、サッカーでいうポジション論を意識した組織運営をしているなとか、改めて認識ができたこともありました。そのうえで、パーパスを浸透させていくことと自分自身の原体験の繋がりにも気づけました。幼少期に海外で過ごしていたので、ダイバーシティに対する感度は高い方なのですが、だからこそ、自分と違う考えを持つ人の声は印象に残りましたし、学びにつながったと感じています。

実際に、エヴァンジェリストとしてどのような活動を行われましたか?

活動のゴールをすり合わせるところからスタート。事業ごとの特性を意識した内容にアレンジを重ね、参加者に負担のない形でワークショップを展開した。

市村

プロジェクトをスタートさせるにあたり、まず着手したのは活動のゴールのすり合わせです。マイパーパスを書く、ワークショップに参加する、で終わりではなく、パーパスを用いてコミュニケーションを図りながら、マイパーパスとマイナビパーパスの共通点を実感・浸透させていくということをゴールに設定しました。そこから、チームでコンテンツを見直したり、アプローチをいつもと変えたりと、事業部の特性に合わせてワークショップの中身を改良していきました。
エヴァンジェリストとして活動するなかで、私は広報という役割を任命されていたので、活動の情報発信のなかで「上司と部下がお互いに入力したものを確認しあって、共通認識を持ってね」というような呼びかけを積極的に行っていました。

後藤

部署に最適化した形でのワークショップやコミュニケーションを実践されていたということですが、具体的には何を意識してそのような形に至ったのでしょうか。

市村

例えば、ワークショップを時間的に短縮して、代わりに回数を増やして実施しました。「スケジュールを抑えられるのは困る」と感じる人も少なくないと思ったので、ライトに参加できるようにという配慮からです。また、しっかり立ち止まる時間を作ることがワークショップの最大のテーマだったので、ストーリーに余白を持たせ、そのなかでマイパーパスに向き合ってもらえるような設計にアレンジしました。大枠はそのまま、少しずつ各セクションの中身を凝縮させたという感じです。あとは、話すメンバーに偏りがないようにするために、同じ事業部のメンバー同士でペアを組まないように調整しました。

社員向けにワークショップを展開するなかで工夫したことや、特に印象的だった出来事・変化について教えてください。

多くの人が関心を寄せ、「浸透」につながっていくような発信を意識。また、先輩社員のメッセージを通して、若手社員がマイナビの良さを改めて認識するという副次的な効果も。

市村

広報を主たる役割としていたなかで、一貫して「浸透」を意識した発信を行っていました。例えば、専務がマイパーパスを入力してくれた時はその影響力を生かすために、専務のマイパーパスを発信したり、ワークショップに参加した人の声を抽出し、参加前後における変化を発信したりと、できるだけ多くの人が関心を寄せ、ワークショップに参加したいと思えるような情報の発信を心掛けていました
個人的に印象的だったのは、自分の配下のメンバーの想いを、マイパーパスを通して覗くことができたということですね。業務以外の活動も含めて、自分が大切にしていることや価値観を、胸を張って発信できている人が多く、とても新鮮でした。マイナビのことを好きな人たちの想いというのは、どこかでマイナビの良さに紐づくんですよね。「うちの会社は捨てたもんじゃない」ということを、特に若い社員たちに知ってもらう機会にもなったのではないかなと思います。

エヴァンジェリストとして活動するなかで、ご自身のパーパスや、マイナビのパーパス【一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。】を体現していると感じたシーンはありましたか?

会社の変化を肯定的に捉え、マイパーパスを探求し共有する過程こそが、「一人ひとりの可能性」と向き合うことを意味すると信じ、共通言語としてもっと浸透させていきたい。

市村

私は入社して2-3年目からずっと変わらず、「一緒に働いているメンバーや、会社の人たちが幸せになってくれると良いな」と思い続けています。かつて身を置いていたチームの状況があまり良くなかった時、「後輩たちに『良い会社だ』と思ってもらえるように自分が頑張っていこう」と腹を括って以来、常にマイパーパスを体現しようとしています。今に満足せず、もっともっとと思いながら頑張っています。

粟井

市村は先日、全社のMVPも獲得したんです。業績もそうですが、エヴァンジェリストの活動を通して組織のエンゲージメントも引き上げていますから、組織運営において模範的な存在ですよ。

市村

これからも、「もっとみんなで良い方向に変えていこうよ」とリードしていける存在に成長できればと思います。

桜田

本当に素晴らしいと思います。個人から会社に視点を変えると、御社のパーパス【一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。】を体現していると感じたシーンはありましたか?

市村

実は、今まさに感じているところです。次期に向けて、配下の課長たちと面談を実施するなかで、マイナビでのキャリアパスを前向きに描くメンバーが増えました。今回の取り組みを通して、会社に生じている変化を肯定的に捉えてくれているのだと思います。マイナビの未来に期待し、盛り立てたいと考えてくれる人が増えたのは本当に嬉しいことです。

桜田

一人ひとりが「自分がやりたいことをマイナビで実現できる」ということに気づけたのは、市村さんが社員の皆さんの多様性を尊重されてきた結果だと思います。多様なマイパーパスが出揃いつつある今、御社は、イノベーションに一歩・二歩と近づいている段階なのではないでしょうか。

粟井

そうですね。マイパーパスを探求する過程は、上司と部下、社員同士で相互理解を深める貴重な機会にもなると思うので、これを共通言語としてもっと浸透させていきたいです。

市村

当社には、お客様に価値を還元できる形で商品やサービスを生み出していくというDNAがあります。あらゆる社員のパーパスを起点とし、サービスや商品開発でもイノベーションを起こしていければいいですね

アイディール・リーダーズと共に「パーパス共鳴施策『エヴァンジェリスト育成プログラム』」を実施してみての、率直なご感想を教えてください。

マイナビという会社、そして働く私たち自身について理解を深められた。パーパス・ドリブンな考え方を会社風土として定着させるために、終わりなき取り組みにしていきたい。

粟井

まずは「やりきった」でしょうか。エヴァンジェリストに100人規模で動いてもらって、各事業部や支社で浸透施策を展開できたというのは50周年にふさわしい内容だったと思います。一方で、本プロジェクトは、51周年以降も継続してこそ意味のあるものになっていくのではないかなと。文化や風土の礎として盤石化するためにも、終わりなき取り組みにしていきたいという思いを持っています。

谷本

私にとっては、会社や社員について再確認できる貴重な機会でした。組織運営においてよく「2・6・2の法則」と言われますが、私自身はこの会社は「4・4・2」くらいの感覚でいるので、今回のプロジェクトもうまく火をつけることさえできたら、主体的に動いてくれる人は多いと当初から期待していました。たった4名の事務局で、会社全体に変化を促せたのは、紛れもなく、100人のエヴァンジェリストの働きかけのおかげだと思っています。

坂本

今回事務局をやらせていただくなかで、普段関われない方々とたくさん接点を持ち、改めて、当社は「人で成り立っているんだな」という実感を得られました。この活動を通して届いた声というのはすごく参考になりましたし、一人ひとりの想いがパーパスにつながっているということを肌で感じられたので、とても学びになりました。

平井

日常会話のなかでパーパスに関連するワードが飛び交っているなど、あらゆる場面で「浸透」がうまくいっていることを実感しています。みんなで地道な活動を続けてきた結果ですね。もう一つ大きな変化としては、毎年おこなう業績の表彰式が、「パーパスデー」という名称に生まれ変わったことが大きかったです。パーパスがいかに価値のあるものかということを、これから若い世代を中心に広め、定着させていってもらえればと思います。

与那覇

市村さんは、エヴァンジェリストとしてどう感じられましたか?

市村

粟井さんと同じように、単発で終わらせてはいけないという使命感を持っています。エヴァンジェリストとしての活動は終わっても、パーパスの価値を浸透させる取り組みは続けていきたいし、マイナビという会社の魅力をより多くの人に知ってもらうために、社外に向けても発信していきたいです。

谷本

事務局として補足すると、プロジェクト自体は50周年で一度区切りをつけましたが、今後も次世代のリーダーや、新卒・中途入社の社員向けのワークショップとして展開していくことを考えています。市村さんのような方には、永久エヴァンジェリストとして、主体的に活動していっていただければとてもありがたいです!

プロジェクト実施後の組織の変化や、社内外から聞こえてきた声はありますか?

社員の意識変化によって、パーパスが、社外の方に向けた発信の軸となったり、社内の事業評価の基準に組み込まれたりと、会社全体でのコンセンサスになり始めている。

谷本

採用のシーンでは、学生さん向けの説明会に登壇してもらう社員の自己紹介スライドにマイパーパスが明記されているなど、社員がマイパーパスについて語るということが広がっているようです。もちろん、こちらから依頼をしているわけではありません。マイパーパスが日常の業務のなかでも発信されているという報告を聞けるのはとても嬉しいですね。

桜田

谷本さん個人として、そういった声に接した時、どのように感じられますか?

谷本

社員個人が大切にしている価値観を語れる=マイナビがそういう会社である、と求職者の方に映るのはポジティブなことだと思っています。「入社後、働きながらマイパーパスについて考える」ということをイメージしてもらえたら、一層好循環が生まれるはずですから。

桜田

確かにそうですね。一人ひとりが自分で未来を見つけて実現するために働いているという会社の文化に、憧れを抱く求職者は多そうですよね。粟井さんはいかがですか?

粟井

先ほど言及があった表彰式の件もそうですが、会社が変化しようとする気概や覚悟を見せたことで、自分たちも変化しようとする社員の姿勢を感じられるようになりました。コミュニケーションが希薄になり、退職者の数も増えてしまったコロナ禍を乗り越えたこのタイミングで、一人ひとり、そして組織として活力が向上した状態になれたのはとても良いことだと思っています。

市村

若い社員のなかでは、特に目覚ましい変化が起こっています。マイナビで一定期間を経て転職を考える世代が、マイナビのことを一層好きになり、継続的にマイナビで働くという選択をしてくれるようになっていて、嬉しく思います

坂本

今の話に重なりますが、ある役員の方から「本プロジェクトをきっかけに転職を取りやめた部下がいた」とお話がありました。そういう経緯があって、本プロジェクトをすごく評価していると仰っていて、パーパスが社内の共通言語になってきていることを実感しました。また、現在所属している財務戦略に関わる部門では、事業評価の1番目に「パーパスとの整合がある事業か」という項目がきています。このように、事業やビジネスを考えるうえでもパーパスが軸になるということが、会社全体でのコンセンサスになり始めていると感じる場面が増えましたね。

与那覇

今、市村さんと坂本さんが仰った、「辞めようと思っていた人が、気持ちが変わって会社に残ることになった」という事例が社内で生まれているのは、全社としてどのような変容が生まれているからだと思いますか?

坂本

個人的には、会社が未来に向かってポジティブに変わろうとしているという期待感が醸成された結果なのかなと。一例を挙げると、経営陣が掲げたマイパーパスを見られるというのもポイントだったのではと思っています。経営層の方々の個人としての想いを知れる機会は、これまでありませんでしたからね。

谷本

会社が変化しているという点では、まずは経営体制ですね。事業が儲かる/儲からないという観点ではなく、広い視野で社会にどうアプローチできるかということを考えるセグメント経営というものができました。それから、人事制度も変わりました。その結果、社員が自分のキャリアや、社内でのキャリアパスを描く機会が増えたことが影響しているかもしれません。
あとは、社長から発せられるメッセージでしょうか。会社が持続的に成長するために、様々な変化を生み出そうと常々話してくれています。その中心になるのがやはりパーパスなんですよね
今回の活動を通して、パーパスを軸として、会社の進む方向性や取り組みの全体像が見えるようになったことを、社員がポジティブに受け止めてくれていると捉えています。

貴社の今後のさらなるお取り組みや展望を教えてください。

今回の活動を通して、社員一人ひとりの期待に応えていくこと。そして、新しく入って来られる人に対して、パーパスを共通言語としたマインドセットを伝えていきたい。

粟井

本プロジェクトを通して、マイナビという会社が「革新的なキャリアサービスを提供するソーシャルイノベーター」という使命の先に、どのように社会に役に立っていくのかという部分を描けました。また、社員一人ひとりが、「自分の生きる目的」と「この会社で経験を積むということの結び付きや意味」を、見出してくれるところまで来れたと思っています。今後は、社員一人ひとりの期待に応えながら、社会に役に立つ取り組みを共に生み出し続けていきたいです。その一つが、パーパス・ドリブン経営の実現だと思うので、パーパスをさらに広く深く、落とし込んでいくための活動を続けていければと考えています。
また、新しく入ってこられる方に対してのマインドセットも重要視しています。当社を興味深く見てくださっている求職者の方々は、私たちの発信を見て、マイナビのパーパスを既に味わい始めていると思うんですよ。そこに現時点でマッチしているかというよりも、パーパスを共通言語にして一緒に体現していけるような施策を打っていきたいですね。
この先、パーパスを共通言語に、人の心を動かしていけるかどうかが、組織を強くするための鍵だと思っています。ユーザーとの付き合いが長いビジネスをやっているからこそ、社会への関心も高く持ち続け、様々な人たちとのつながりも意識しながら成長していきたいですね。

最後に、アイディール・リーダーズのサービスをどのような方におすすめしたいと思いますか?

現状に課題を抱えている企業、M&Aで両社の理念の一致に苦戦している企業におすすめしたい。「企業は人なり」の言葉通り、重要な部分を変えていくことにつながると思う。

粟井

業界、ビジネスモデルに関係なく、現状に対して強烈な危機感を持っている会社ですかね。即効性があるかと言われると、外からあまり見えない部分だと思いますが、「企業は人なり」で考えたら、非常に重要な部分を変えていくということにつながるはずです。

株式会社マイナビのみなさん、貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。

株式会社マイナビのみなさん、貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。

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