株式会社ワイヤレスゲート 「あって良かった」の実現に向けて社員起点で考えるパーパス・ビジョン策定ワークショップ

「あって良かった」の実現に向けて
社員起点で考える
パーパス・ビジョン策定ワークショップ

株式会社ワイヤレスゲート

株式会社ワイヤレスゲート

https://www.wirelessgate.co.jp/

話し手
株式会社ワイヤレスゲート 代表取締役社長CEO 濵 暢宏様
聞き手
アイディール・リーダーズ株式会社

ご依頼の背景

昨今、私たちの生活に欠かせないインフラとなっている無線通信サービス。株式会社ワイヤレスゲート(東証プライム市場:9419/以下、ワイヤレスゲート)は、いち早くその有用性と可能性を見出し、高速無線インターネット(ワイヤレス・ブロードバンド)による社会課題の解決に貢献すべく2004年に創業されました。創業20年の節目を迎えるタイミングで、会社の文化として根付いている「社員を起点とした経営」のパワーアップをめざし、理念の刷新を決意。少数精鋭だからこそ社員全員でパーパス・ビジョンを策定したいという想いのもと、アイディール・リーダーズにファシリテーションをご依頼いただきました。

今回のインタビューでは、パーパス・ビジョン策定ワークショップを通して得られた気づきやご感想、その背景等についてお話を伺いました。

*参考記事:『ワイヤレスゲート創業20周年に「パーパス」と「ビジョン」を制定』(2023年1月26日付 PR Times)

まずは、ワイヤレスゲートのご紹介をお願いします。また、この度のパーパス・ビジョン策定に動き出されたきっかけとなった課題意識について教えてください。

強いプロダクト・販路の裏側で会社を支えるのは少数精鋭の社員たち。変わらぬサービスの維持と新しい価値への挑戦のためには、個の”イマジネーション”の最大化がカギに。

私たちワイヤレスゲートは、ワイヤレス・リモートサービスの提供を行う会社です。2004年の創業以来、ワイヤレスゲートWi-fi事業、リモートライフサポート事業、地方DXプラットフォーム事業の3つを中心に事業を展開しています。モバイルWi-fiやSIMサービス、公衆無線Wi-fiといった今や生活には欠かせないプロダクトを通信業界でもいち早く扱い、強いプロダクトと強い販路に恵まれ、厳しい時代を乗り越えつつ2012年に株式上場しました。仕組みの力をうまく活かしたことで、極めて少ない少数精鋭の社員数で業績を伸ばすことができたというのが当社の特徴の一つです。

後藤

当時は極めて少ない社員数で上場した企業として話題になりましたよね。順調に業績を伸ばしている中、どのような課題があってパーパス・ビジョンの見直しの検討を始められたのでしょうか。

近年では、通信業界の自由化が進んだことで競合が増え、市場は厳しくなってきています。そんな環境変化に立ち向かうには、何をどのように手入れするべきか。会社にとって今後最も伸ばすべき経営資源は、「社員」。社員一人ひとりにイマジネーションを最大限発揮して働いてもらうために、会社として内発的動機づけを喚起していくことが重要であると考えました。少数精鋭だからこそ、社員一人ひとりの能力の最大化と発揮できる環境整備が会社の成長にとって不可欠です。しかしながら蓋を開けてみると、個人の働きがいにつながるはずの企業理念を正しく理解している人は一部。理念自体が自分ごと化できるものになっていなかったことが改善すべき課題であると仮定し、創業20年、経営体制が変わり約2年を経たタイミングで、ここに手を打つことにしました。

後藤

働く人を大切にするというアイデアは、濱社長のお考えですか?

当社には、創業以来、社員が働きやすい環境づくりに力を入れてきた社風があります。私も社員の働きやすさは大切だと考えているのと同時に働きがいも大切だと考えており、社員の成長の総和が会社の成長になると社長就任のメッセージとして発信しました。その時に、「挑戦を支援することで成長を促したい」という言葉も送りました。それは福利厚生や人事制度の見直しといった環境を整えることで働きやすさを作った上で、パーパスによって個々の働きがいを引き出すことで能力を最大限に発揮してほしいという想いからです。これまで培ってきた働きやすさに加え、こらからは働きがいも育むパーパスをみんなで考えようとなるのは自然の流れでした。

熱いマインドを持って社長に就任され、「働く人」を起点とした経営をめざす濱様が、パーパス・ビジョン策定のパートナーとしてアイディール・リーダーズを選ばれた経緯を教えてください。

私がこだわった「みんなでつくる」の実現に向けて、高いコーチングスキルを持つアイディール・リーダーズなら一緒に突き進んでくれるという確信があった。

今回のパーパス・ビジョンについては社員としっかりと目線を合わせながら決めていきたいと考えていました。経営体制が変わり、いい意味で日々軋轢が生じ試行錯誤している状況下で、リスクを取りながらも「みんなでつくる」の実現に導いてくれるのは後藤さんが適任だと思っていました。ファシリテーターとしての実績を持っていて、定期的なコミュニケーションを通じて私自身や当社のことをよく知ってくださっていたからです。

全社員で計2日間のパーパス・ビジョン策定ワークショップを実施

全社員で計2日間のパーパス・ビジョン策定ワークショップを実施

後藤

そう言っていただけて光栄です。「みんなでつくる」の実現に貢献できて良かったです。今回のワークショップを通じて、当社のパーパス・ビジョン策定ワークショップには、どのような特徴があると感じられましたか?

一つはカスタマイズのバリエーションが豊富だということ。企業の状況や課題に徹底的に寄り添い、プログラムを柔軟にプランニングしてくださることに引き出しの多さを感じました。もう一つは、ワークショップ当日、ファシリテーションの質の高さです。全ての問や設定時間に意図があると感じましたし、社員の印象に残る数々の言葉を残してくださったので、さすがコーチングを得意としているだけあるなと感心しました。

今回策定したパーパス・ビジョン、そして策定の過程にはどのような感想をお持ちですか?また、策定後、貴社の変化があれば教えてください。

「社員起点で”イマジネーション”を膨らませ続けること」に価値を置いた表現は多くの社員にフィット。社内では「あって良かった」が意思決定の軸に。

パーパスは、”イマジネーションとつなげる力で 社会に、そして未来に「あって良かった」を届ける”。ビジョンは、”社員に感動を 社会に笑顔を”にまとまりました。いずれも、他になく、子どもでもわかる表現に仕上がっており、「当社らしい」と思っています。こだわりは「社員に感動を」と、社員を起点にしていること。高いゴール設定ではありますが、このメッセージを具現化できるような社員エンゲージメントの高い会社をめざします。また、「あって良かった」は我々が考える我々の存在価値そのもの。色々な人の「あって良かった」を届ける事ができた時、それは社会への最大の貢献だと思います。最近では社内でも、「あって良かった」が意思決定の軸となりつつあり、みんなにとってフィットする言葉なんだと実感しています。会社の特性を表現しているのは、「イマジネーションとつなげる力」の部分。「つなげる力」はこれまでの会社の歴史や事業を表現できているし、「イマジネーション」は想像力・創造力・構想力・空想など、イマジネーションを働かせて着想していく力を表現している。「あって良かった」に至る過程で向き合うべき大事な2つの要素を組み込めて良かったです。

後藤

「イマジネーション」は特に、濱社長のこだわりがストレートに乗せられた言葉ですよね。具体的にはどのような想いがあってこの表現を選ばれたのでしょうか?

先を見通せないVUCAの時代、必要になるのは先ほど申し上げた力に加えて、突き抜けた妄想力も大事だと私は考えています。これから求められるのは、例えば人に笑われるようなぶっ飛んだアイデアをイマジネーションし、具体化していくこと。論理と同じくらい妄想力を発揮して、「つなげる」に落とし込んで実践していくことがこれからの我々のあるべき姿だという強い想いを込めています。

後藤

社員の皆さんにとっても、濱社長ご自身にとっても納得度の高いパーパス・ビジョンに仕上がったことがよくわかりました。策定までのプロセスについてはどのようなご感想をお持ちですか?

やはり、みんなでできて良かったです。社員が考えていることは経営陣が考えるものと意外と近いということを知れたのは私にとって一番の収穫でした。話し合いの中で、「笑顔」「未来」「社会」などのキーワードが次々に出てきたので、大事にしているものは同じなんだと安心しました。言葉にして伝えることが大事だと再認識したので、社員の声をインタラクティブに引き出すようなコミュニケーションを一層心掛けようと、今後に活かせる学びもありました。

後藤

ワークショップでは、社員のみなさんから期待以上の反応があったということですね。その後、社内で何か目に見える変化はありましたか?

ワークショップがきっかけとなり、技術・営業・管理・経営企画といったそれぞれの現場で、主体的・横断的に動こうとする気運が高まっており、私が現場に介入する頻度が圧倒的に減りました。現場メンバーの中で完結できれば、意見が錯綜せずコミュニケーションコストがぐんと下がり、主体性が高まるので、みんなにとってヘルシーです。パーパス・ビジョンの発信はこれから本格化していくので、社員一人ひとりに根付き、さらなる行動変容が起こっていくことを期待しています。

最後の質問です。どのような組織に、アイディール・リーダーズの「パーパスマネジメントコンサルティング」「ビジョン策定」をオススメしたいですか?

会社として大きくジャンプすべきタイミングは必ずある。未来のありたい姿を考える際のパートナーとして、アイディール・リーダーズを選択肢に含めることを勧めたい。

外部環境の激しく変化している昨今において、パーパス・ビジョンを定めきれていない全ての企業にオススメします。社内外に発信できる指針があることで、会社として大きくジャンプすることができるはず。業界がコモディティ化した時や利幅が下がっている状況下にあれば、なおさらだと思います。そこに、経営体制を刷新して地に足を付けこれからどうするか考えるタイミング、創業◯年など企業にとって節目の年など、長期的な未来について考えるタイミングが重なれば、見つめ直すチャンスです。ぜひ、具体的なアクションの一つとして、パーパス・ビジョンの策定や刷新を検討してほしいと思います。

濱社長、お忙しい中ありがとうございました!

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