TOKAIホールディングス|笑顔あふれる5,000人の組織づくり。社長と従業員の対話から始まる変革とは

笑顔あふれる5,000人の組織づくり。
社長と従業員の対話から始まる変革とは

株式会社TOKAIホールディングス

株式会社TOKAIホールディングス

https://www.tokaiholdings.co.jp/

静岡県静岡市に本社を置く、エネルギー事業を軸に情報通信や生活サービスを多角展開する企業。顧客の暮らしを包括的に支え、安心・安全・快適なサービスをワンストップで提供し、豊かな生活の実現に寄与する。

話し手
株式会社TOKAIホールディングス
人事戦略本部 人事企画部、ライフキャリア支援室、人事採用・研修室担当役員 人事企画部長 
沼野 哲也様
人事戦略本部 人事企画部 人的資本経営推進課 課長
落原 崇充様
人事戦略本部 人事企画部 人的資本経営推進課
鈴木 伸弥様

株式会社TOKAIコミュニケーションズ
管理本部 総務部 人事課
新井 菜月様

※以下インタビュー記事内では敬称略で掲載させていただいております。
※この記事内の肩書き・役職は取材当時のものです。
聞き手
アイディール・リーダーズ株式会社

ご依頼の背景

TOKAIホールディングスは、2023年度より始動した中期経営計画(2023~2025年度)において「人財・組織の活力最大化」を中核に据えました。その翌年に策定されたのが、「人財・組織の活力最大化」への想いが込められたコーポレートメッセージでした。

組織の持続的成長を実現するためには、一人ひとりの従業員がコーポレートメッセージを自分事として捉え、日々の行動に結びつけることが必要です。そこでアイディール・リーダーズとともに、小栗社長と従業員が直接語り合う「コーポレートメッセージを語る会」を2024年より継続して開催し、参加者の満足度・理解度ともに100%という結果を生んでいます。

本プロジェクトを企画・実施された皆さまと参加者の新井様に、取り組みの背景や内容、成果や気づきなどを伺いました。

はじめに、「コーポレートメッセージを語る会」を開催した背景を教えてください。

中期経営計画で掲げた「人財・組織の活力最大化」を実現するにあたり、コーポレートメッセージをグループ全体に浸透させ、従業員の自発的な行動とエンゲージメント向上につなげるための本質的な施策が必要だった。

沼野

2023年からスタートした中期経営計画において、「人財・組織の活力最大化」というキーワードを掲げました。どんなに優れた戦略があっても、それを実行する従業員に活力がなければ、企業の成長は望めないからです。

その翌年に策定したのが、「私たちは、自由な発想とチャレンジで、暮らしに、社会に、笑顔を広げていきます。」というコーポレートメッセージでした。「自由な発想」や「チャレンジ」は、中期経営計画における「人財・組織の活力最大化」につながるキーワードです。そして「笑顔」は、従業員が自己実現することを起点に生まれるものだと考えています。仕事を通して達成感を覚えて従業員自身が笑顔になることで、お客様に笑顔を還元できるのです。

この目指す姿を実現するには、コーポレートメッセージが全社へ浸透し、エンゲージメントが高まり、従業員が率先してお客様によいサービスを届けるという循環を生み出すことが必要です。

しかしながら、エンゲージメント分析の結果、チャレンジに関する項目が全社的に低いことが分かりました。そのためコーポレートメッセージの周知活動として実施していた社内ポスターの掲示や、社長のメッセージ動画の配信に加えて、さらなる浸透策を行うべきだと考えました。

鈴木

当社では、アイディール・リーダーズと共同でエンゲージメント分析を実施しています。その中で、「チャレンジする姿勢」と「経営理念の浸透度」に相関があることが見えてきました。これは、理念が浸透している組織ほど、従業員が果敢に挑戦していることを意味します。従業員のチャレンジをうながし、従業員のエンゲージメントをさらに高めるために、コーポレートメッセージの浸透を施策として着手すべきだと考えました。

吉原

コーポレートメッセージを策定して終わりにせず、従業員の皆さまが自分事化し、日々の行動に紐付けられることを目指してプロジェクトをスタートさせましたね。外部パートナーとして、当社をお選びいただいた理由についてもお聞かせいただけますか。

沼野

アイディール・リーダーズを選んだ最大の理由は、数回にわたるエンゲージメント分析支援を通して、当社の組織の状況を定量・定性の両面から深く把握してもらっていることです。我々が今、どのような壁にぶつかっていて、従業員が何に悩み、何に期待しているのか。それをゼロから説明する必要がなく、同じ解像度で議論を始められる安心感がありました。

落原

もともとコーポレートメッセージを浸透させるためのご提案もいただいており、パーパス経営に関する知見も豊富なので、我々が今回目指したい「コーポレートメッセージをしっかり落とし込む」ために最適なパートナーだと考えました。

「社長と少人数の従業員で語り合う」という形式には、どのような狙いがあったのでしょうか?

5,000人規模の組織ゆえに生じていた社長との心理的距離を解消するため、あえて10人前後での対話という少人数形式を採用した。社長の個人的な想いや過去の経験を直接聞いたうえで自分の行動計画を考えることで、コーポレートメッセージに腹落ちするプロセスを設計した。

沼野

ホールディングス全体で約5,000人規模の組織になると、従業員にとって社長の小栗は大きな会議で見かける、あるいは話している姿を動画で見るだけの遠い存在になってしまいます。私自身も、現場で働いていた時代は社長に会う機会はありませんでした。

この大きな組織だからこそ、小栗は何を大切にしているのか、コーポレートメッセージの背景にはどのような想いがあるのかを従業員が理解し、腹落ちするための場が必要だと考えました。

丹羽

特にグループ会社の皆様からすると、ホールディングスの社長に対する距離感はかなり遠いものがあると思います。そこで、小栗社長と10人程度の少人数で対話をする会を提案させていただきましたね。

沼野

そうですね。他の研修でも10人ほどの少人数で行うことはなかったので初めての取り組みでしたが、小栗が従業員一人ひとりの名前を呼び、お互い顔を見ながら対話できるメリットがあると思いました。

「CM(コーポレートメッセージ)を語る会」には、参加してもらいたい従業員をグループ各社が指名しています。加えて、2025年は社内のサステナビリティワーキンググループのメンバーにも参加してもらいました。

鈴木

社長との対話形式は、当社の課題意識にフィットしていたと思います。グループの従業員が小栗の考えや想いを聞く機会は、年度始めの事業方針説明会や、年始の年頭訓示など動画メッセージの視聴が主であるため、今回のように直接対話できるのは貴重な取り組みでした。

この機会を最大限に活かすために、丹羽さんにファシリテーターとして入っていただき、小栗の言葉を咀嚼したり、従業員が腹落ちできるよう深掘りしていただいたりする設計にしたからこそ、「CMを語る会」の後半に行うワークショップの納得感も高まったと思います。コーポレートメッセージを深く理解したうえで、自分の行動計画を考えることができました。

吉原

「CMを語る会」の前半では、小栗社長からコーポレートメッセージ策定の背景や思いを直接語っていただきましたね。企画段階で当社から小栗社長にインタビューさせていただき、経営に対する思いや人柄に触れられたので、「CMを語る会」でも従業員の心に残るお話をしていただけるよう進行できたと思います。

丹羽

動画配信では、社長自身の個人的な体験や想いまではなかなか話さないものです。だからこそ、参加者にとっては「CMを語る会」で初めて聞いた話も多く、印象に残ったのではないかと思います。

実際に参加した従業員の皆さんの反応や、意識の変化はどうでしたか?

満足度・理解度ともに100%という結果を残せている。事業部門を超えた横のつながりができたことで視野が広がり、コーポレートメッセージにある「自由な発想」が生まれる機運が高まった。

鈴木

実施後にアンケートを取ったところ、「CMを語る会」の満足度、コーポレートメッセージの理解度ともに、参加者の100%が「とても良かった」もしくは「良かった」と回答しました。

コメントを見ても「日常業務でコーポレートメッセージについて深く考えることがないので貴重な機会だった」「コーポレートメッセージに基づいて、どう行動するかまで考えられてよかった」といったポジティブな声が多くありました。

新井

私はサステナビリティワーキンググループのメンバーなので、2025年度の「CMを語る会」に参加しました。少人数の贅沢な場ということで参加前は緊張していましたが、小栗から直接話を聞けるのはありがたいと思いました。そのうえで、ワークショップで自分の業務に落とし込み、何に取り組むのかを考えるのは実りある時間だったと感じています。

新井

コーポレートメッセージについても講義形式で一方的に聞くのではなく、丹羽さんがポイントを絞って小栗にインタビューする進行のおかげで思考が深まりました。さらに参加者の私たちからも意見を引き出し、それに対して小栗が自分の言葉で回答してくれたことが印象に残っています。これも、少人数だったからこそできた対話だったと思います。

コーポレートメッセージは知っていたものの、どのように自分の業務につながるのかを理解する機会をもてずにいたので、今回参加してよかったです。

落原

会が始まる前は、やはり他の参加者も緊張していましたね。コーポレートメッセージについて語る会とはどのようなものなのだろう、と不安を感じていたかもしれません。

ですが、丹羽さんが参加者の意見をしっかり引き出してくれたことが、アンケートの好結果につながったと思います。社長と対話するとなると硬い雰囲気になりがちですが、ファシリテーターがいたことで話が盛り上がりました。

沼野

多様な事業を展開しているTOKAIホールディングスで、事業部門を超えてコーポレートメッセージに向き合う共通体験によって、横のつながりが生まれたことも貴重だったと思います。

ひとつの事業経験が長くなればなるほど、各事業の「当たり前」が染み付いてしまいます。今回の「CMを語る会」で部門を超えて交流し、あまり知ることのない他事業の話にも触れたことで、視野を広げるきっかけになったのではないでしょうか。

コーポレートメッセージにある「自由な発想」は、事業部門を超えた関係性をつくり、コミュニケーションをすることで生まれると考えています。今回の「CMを語る会」は、これからの自由な発想と、それに基づいた行動につながる場になりました。

新井

まさにその効果を実感しました。ワークショップでコーポレートメッセージを体現するために取り組むことを意見交換した際、他の部署の施策を聞いて「そんなことができるのか」と驚いたことがあったんです。自分にはなかった発想に出会えました。

吉原

大きな組織において、自分から事業部を超えてコミュニケーションするのは難しいことだと思います。今回のような場があると相互理解ができますし、関係性も深まりやすいですね。

参加者の階層が一般従業員から管理職までと幅広く、普段の仕事で見えている世界がかなり異なっていました。管理職の課題感が現場従業員に伝わり、現場の悩みを管理職がリアルに感じ取るという、相互理解が進んだ場になったと思います。

丹羽

コロナ禍に新卒入社した世代の皆さまは、同期のつながりが希薄になっているという悩みも抱えていましたね。今後は事業部門を超えて、同年代で交流する機会もあるといいのかもしれません。

沼野

小栗は自身の想いや経験を直接従業員に伝えられるよい機会だと感じているようです。「自由な発想とチャレンジ」「笑顔」というキーワードを従業員に浸透させるというよりは、当社はお客様の生活や社会インフラに直結した事業を展開しているため、お客様の暮らしに社会に笑顔を届けることもわれわれの役割であり、そのためにまずは従業員に笑顔で働いてもらうことが大事であると小栗は常に言っています。そのメッセージを伝えるためのよい機会だと言っています。

鈴木

小栗は「CMを語る会」でも「従業員が笑顔になって初めて、お客様に笑顔を届けられる」と言っていました。その想いをコーポレートメッセージにも込めていますし、この機会に従業員と共有できたことは大きな成果だと思います。

このプロジェクトを通じて、組織全体にどのような波及効果がありましたか?

エンゲージメントサーベイの成果として、参加者の心理的安全性やキャリア観などの数値が向上している。

鈴木

アンケートでの定性的な評価だけでなく、定量的な成果も目に見える形で現れています。エンゲージメントサーベイにおいて、今回の参加者とその他の従業員の結果を比較すると、「CMを語る会」の参加者は「強みを生せているか」「自分のキャリアを考えられているか」「心理的安全性」という3つの指標でスコアが上昇しているのです。コーポレートメッセージに腹落ちし、行動に移せていることが要因だと捉えています。

従来、社長と従業員が直接交流する場は多くなく、組織としてもコミュニケーションは上流から下流へと偏りやすい傾向がありました。しかし今回の取り組みがもとになり、組織内の対話が活性化しています。これにより、組織としての一体感や働きやすさが向上しつつあり、徐々にではありますが、より健全で風通しの良い組織文化が形成され始めています。

最後に、今後の取り組みや展望を教えてください。

従業員が笑顔になり、その活力がお客様へ還元する価値につながる循環をグループ全体で生み出せるよう、今後は管理職への展開も視野に入れたい。

沼野

コーポレートメッセージに腹落ちし、行動に移せる従業員を増やすために、「CMを語る会」を今後も実施し続けたいと考えています。来年度以降は、部門長クラスにも対象を広げる予定です。メンバーが行動変容しても、上司である部門長にコーポレートメッセージが浸透していなければ組織全体は変わりません。上司が笑顔で部下の挑戦を後押しできるようになり、組織の活力がさらに高まることを目指します。

落原

「業績が上がったから笑顔になったのではなく、笑顔になったから業績が上がった」というメッセージを理解して腹落ちし、それを循環させるための取り組みを進めたいと思います。

鈴木

このプロジェクトで丹羽さんと小栗の話を聞くと「よし、自分も頑張ろう」と活力が湧いてくるのを感じます。この体験を、多くの従業員にしてほしいですね。全従業員が参加するのは難しいことを考えると、「CMを語る会」の様子を撮影するなどして、動画もうまく活用しながら全従業員に波及させられるといいのではないかと思っています。

沼野

数年後には、過去の参加者が集まる同窓会のような場を設けることを構想しています。「CMを語る会」に参加した後にどんなことを意識して行動しているのかを発表したり、共有し合ったりできるといいですよね。「CMを語る会」で生まれた事業部門間の横のつながりをさらに強いものにし、コーポレートメッセージを組織全体で体現できるようになりたいと思います。

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